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日伊協会にておなじみPiatti岡田さんとのコラボレーション企画。今回は、生ハム。知られているようで意外と知られていない生ハムのいろは、今更聞けない基本的なことまで、岡田さんの話が聞ける貴重な機会。その場でスライスしながら部位ごとに違った味わいを堪能したあとは、膝下の筋張った部位はミンチしてお料理に使えますよってことで郷土料理トルテッリーニの試食30人分を担当しました。丸ごと生ハムを食べ尽くすセミナー、そうそうないと思います。あっという間に定員になってしまったらしいので、またやってほしいな。って、すっかりお客さん的発言。

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イタリアから本物の食材を輸入・販売しているPIATTI(http://www.piatti.jp/)の岡田さんをristorante-ritzにお呼びして、岡田さんが直輸入しているパルミジャーノ・レッジャーノを、岡田さんにその場で切り分けて頂いて、24人で山分けしようという、まさに「企み」という字がぴったりの「企画」。(実は一昨年に引き続き2回目。そのときの様子はコチラ→http://ristoranteritz.blog92.fc2.com/blog-date-20070522.html)

今回も、「カット道具一式」が入ったスーツケースを下げていらしてくださった岡田さん、数種類ものクサビ型の専用ナイフを使い分けながら、40kg強のパルミジャーノと語り合うように慎重に「メス」を入れていく姿は、何度見も惚れ惚れ。大きな固まりが真っ二つに割れ、ほわ~~~んと新鮮なパルミジャーノの香りがテラス一杯に広がったその瞬間、今回も一斉に「うお~っ」という声と「カシャッ」「カシャッ」というシャッター音が響くのででした。

日伊協会などでも岡田さんのお手伝いを料理担当という立場でやらせて頂いてますが、今回はかねてより「切り立てパルミジャーノ」でぜひ作ってみたかった「リゾット」をはじめ、ブロッコリのムース・カブのポタージュ仕立ての上にも切り立てパルミジャーノのスライスを載せたり…こちらも思う存分、切り立てパルミジャーノを楽しませて頂いてしましました。

岡田さん、お疲れ様でした!

昨年2月に引き続き、今年も日伊協会でPIATTI岡田さんとコラボレーション。
第2回「切り立てパルミジャーノとそのレシピ」
(第一回目の様子はコチラ→ http://ristoranteritz.blog92.fc2.com/blog-date-20080223.html

今回も、パルミジャーノをふんだんに使った料理を紹介すべく、50人分の試食をご提供。
「カボチャのトルテッリ」
「ポルペッテ(イタリア風肉団子)とグリーンピースのトマトソース煮込み」
「簡単バジルのパスタソース」

おかげさまで昨年に引き続き大入り満員。生暖かい風と雨が吹き荒れる天気にもかかわらず、たくさんの方においで頂けたのは、もちろん、パルミジャーノ・カットの魔術師、PIATTI岡田さんの求心力です。
いくつもの厳しい基準をクリアして初めて「パルミジャーノ・レッジャーノ」と刻印されるわけですが、しかし、その味わいは一つひとつ微妙に、でも確実に違う。たとえば原料となる牛の乳の成分によっても、チーズの味に歴然と差がでる。考えてみれば当然のことだけれど、しかし、どんな牛が、どんな季節のどんな草を食べているか、そこまでさかのぼって製品を考えたことが、私たちにあるでしょうか。

パルミジャーノやプロシュートといった世界に誇る一流ブランドも、支えているのは実は「農業」そのもの。
すべての食製品が「大地」と直結している、それが、イタリア食産業のすごいところ。

こうして岡田さんの話を聞くたびに、パルミジャーノを通してイタリアの食に対するこだわりや誇りが見えてきて、ああ、やっぱイタリアって、イタリア料理って、懐深いよなーと、毎度イタ馬鹿魂を磨かれる思いがします。

特に今回は、岡田さんが初めて直接個人輸入を果たした生産者の「ミッレジマート」が初めて公の場にお目見え。生産者が、産後100日以内の牛だけのお乳にこだわって作った、栄養分がぎゅぎゅーっと凝縮された一級品。
お味の方は、ピリピリ感が微塵もなく、どこまでも芳醇で豊かな風味。
うん、うん、まさに、「母の偉大さ」を感じるような味わい。すっかり虜になりました。

11月後半、2週末連続で、日伊協会の食文化セミナーにて「トルテッリーニ・イン・ブロードと冬のおもてなし料理」を担当。といっても会場は日伊協会のおはからい拙宅ristorante-ritz。

トルテッリーニは、私が仕事を放りだしてまでイタリアへ料理修業に行ってしまうきっかけになった、エミリア・ロマーニャ州の名物料理。中でも、肉から丁寧にダシを取った黄金色のスープで食べる「トルテッリーニ イン ブロード」は冬に欠かせない一皿として老若男女に愛され続けるパスタ料理です。
いつもの料理教室の要領で行えるとはいえ、応募者が定員割れでもしたら日伊協会に申し訳ない、と不安な気持ちでいっぱいでしたが、おかげさまでたくさんの方がお申し込みくださり、当初は一日だけの開催の予定が、結局、増設して3日間設けることに。 

根っからイタリア好きな人たちは、初対面同士でもどんどん話が弾む。パスタを練るところから始まって、うすく伸ばしたあとも、4センチ四方の正方形にきりわけた生地に具を小さく巻き込んでいく作業がひたすらつづくトルテッリーニには、みんながひとつのテーブルを囲み一つになることもそうだし、手を動かしながら延々と口も動かしたくなるという、不思議な作用があるものです。

トルテッリーニづくりとおしゃべりに集中しているその間、ガス台では、蛍火にかけっぱなしでOKの肉料理「ピエモンテ風ストゥファート」が、オーブンではボローニャ風パンナコッタが、一人で勝手に出来上がって行く。いずれも、手間もかからず見た目も華やかという、おもてなしには持ってこいの料理を選びました。

トルテッリーニをはじめ、日本のイタリア料理店では滅多に食べられない北イタリアの伝統料理は、同じくエミリア・ロマーニャ州の名産である発泡性赤ワイン「ランブルスコ」とともに、皆様にご満足いただけたようで、ほっとすると同時に、いろいろな方との出会いを果たしてくれた、日伊協会にも改めて感謝です。

第3回アッカデミア・イン・クチーナは、今年も、廣田麻弥先生をお迎えして、母の日を翌日に控えた5月12日に開催。カーネーションをバラを中心にしたセンスのいいフラワーアレンジの籠の中に、みんなで手作りしたイタリアの味を瓶詰めにしてしのばせました。

瓶詰めにしたのは、水を一切加えずにトマトと野菜だけで仕上げたトマトソース、そして、自然の恵みたっぷりのいちごジャム。
作って飲んで騒いで喋って、それで、親孝行できるんだから、言うことありません。

ちなみにこの日のメニューは、

手作りトマトソースを使ったパスタ「ブカティーニのアマトリチャーナ」
ささっとできる「サワラのムニエル バルサミコソース仕立て」
いちごジャムを添えて食べるとおいしい「ヨーグルトの焼き菓子」

でした。

次回は夏に、涼しげなドライフラワーでのアレンジと、イタリア料理のコラボを企画中。
お楽しみに。


12月10日(日)。おかげさまで、新クチーナになってから二度目のクリスマスを迎えるristorante-ritzのテラスには、小さいながらもクリスマスツリーが登場。買ったばかりのモミの木は、息子にオーナメント(なぜかぬいぐるみまで)をかけまくられ、すべての枝先がビヨヨ~ン、ビヨヨ~ンと垂れ下がったちょっとかわいそうな風貌ですが、ネオンを点けると、やっぱり本物のモミの木はいいなと、思ってしまう温もりがあるものです。

さて、今回のアッカデミア イン クチーナ~お台所でお勉強~は、CampanulaMayaの廣田麻弥先生をお迎えしての、クリスマスリース教室。テラスのクリスマスツリーの横にアラジンストーブを設置して、ガラス屋根越しに差し込む冬の太陽光の下、なんと生のお花をアレンジ。白いデンファレや金色のオーナメントをあしらう麻弥先生ならではの“清楚なのにゴージャス”なセンスに、参加者6名それぞれの趣向がプラスされた個性的なリース作りに熱中しました。

その間、部屋の中では、最初に皆さんで下ごしらえした料理の仕上げを、わたくしめが担当。イタリアのクリスマス料理とくれば、まずはコレ!著書のタイトルにもなったトルテッリーニです。年に一度しか作らないのは、クリスマス料理だからでもあり、年に一度しか作れないほど手間がかかるという説もあり。というわけで、その他のメニューは、簡単レシピ満載でしたが、前菜 (Bagna Cauda)も、鶏料理(Arrosto di pollo con limone)も、ケーキ(Ciambella)もイタリアの冬を代表するメニュー尽くし。

テラスのテーブルにずらりと並べた6つの大きなリースを眺めながら、ワインもどんどん進み、途中からは年忘れおしゃべり大会と化した今回のアッカデミア。終わってみたらとっぷりと日が暮れて、テラスのツリーのネオンだけが、黙々とついたり消えたりしていました。

Buon Natale!

6月12日(土)、京都イタリア倶楽部主催「ボローニャフェスタ」にてボローニャ料理教室を開催しました。
ボローニャ在住Franco Cogo の描く「ボローニャの家」。
そのどこか懐かしく素朴な世界を、イタリア随一の美食都市ボローニャの郷土料理を通じて体験する、ボローニャフェスタ。

夜の部は、フランコの絵に囲まれて、エノテカバール「レプロット」にて毛利シェフの手による郷土料理を着席スタイルにて満喫。 

一方、昼の部は、私、山中律子の関西初の料理教室。
ボローニャの代表的な伝統料理を、26名の参加者のみなさんとともに一から手作り。中でも手打ちパスタ・トリテリーニは、生地はもちろん中身の具も、スープも一から手作りの大作業。毛利シェフに全面的にバックアップ頂いた確かな食材を裏切らぬよう、またイタリア倶楽部の会員のみならず近県から駆けつけてくださった方や、本場のマンマの味を知る在日イタリア人の参加者など、皆さんの期待に添えるようにと冷や汗だらけの4時間でしたが、皆さんのやる気とご協力のおかげで、ボローニャの息吹をたらふく堪能して頂くことができました。

MENU
「Tortelliniトルテッリーニ」
「Arrosto di pollo 鶏のオーブン焼きレモン風味」
「Panna cotta Bolognese ボローニャ風パンナコッタ」

*イタリア倶楽部本部 http://www.club-italia.jp/

今回イタリア倶楽部では、同氏の絵をすべて、エノテカバール「レプロット」店内に約一ヶ月間展示し、レストランギャラリーという試みで紹介。その最終日の夜に、毛利シェフの手による、前菜からドルチェまでのボローニャ料理のフルコース・ディナーを開催しました。しかしこれ、正確に言うと、「ボローニャ」料理ではなく今回の個展のテーマである「ボローニャの家」料理のフルコース。なんと、店内に飾られている絵のタイトルがすべてそのまま前菜、プリモ、セコンド、ドルチェのタイトルになっているというサプライズでした。一枚一枚の絵の世界を、見事なイマジネーションで再現された一皿一皿は、まさにイタリア料理の域を超えた芸術品。

Bravo!毛利シェフ。

エノテカバール 「レプロット」(http://www.leprotto.com/

尚、Franco Cogoの「ボローニャの家」は2004年末まで、イタリア倶楽部提携ギャラリー「青い風」にて常設展示しています。

*毛利シェフは現在レプロットを閉め、「リストランテ美郷」http://mrmd.co.jp/misatoの料理長として腕をふるってらっしゃいます。

2003年初夏、憧れの骨董の器でイタリア料理を食べてしまおうという試み、その第一回を拙宅にて二日続けて開催しました。

福岡在住の骨董収集家、三嶋亜希子さん発案による骨董とイタリアンの初のコラボレーション。

九州育ちの三嶋さんが十代の頃から長年かけて集めた古伊万里や古唐津、あるいは明治後期の染め付けや漆器など、味わい深い年代物の器たちに、イタリアの家庭料理を盛りつけて、フルコースでご提供。普段なかなか手が出ない、あるいは素敵だなと思っていてもとっつきにくい、そんな骨董の世界もイタリア料理を介せば、俄然、身近で使いやすい器になります。

また、当日は、三嶋さんがわざわざ博多郊外のご実家から取り寄せた、ご実家の裏山に生える野の草木も、器周りやテーブル周りに情緒を加えました。着席スタイルで、アンティパスト、プリモ、セコンド、そしてドルチェと楽しみながら、それぞれにおいて三嶋さんならではの器選びとテーブルコーディネートのセンスが学べる上、今まで敷居の高かった骨董に関する基本的な質問が、料理を食べながら気軽にできます。使用した器はもちろんすべて売り物。その場で気に入った器があれば、当日そのままお買いあげ頂けます。

一つ160,000円の超一級品の古伊万里の鉢から一客3,000円のそば猪口まで、うれしいラインナップ。もちろん、どれもこれも巷の骨董屋では実現できない、三嶋さんならではの良心的な価格設定です。第一回のこの日も、一客16,000円の古伊万里の深皿や、一客8,000円のそば猪口など、参加者の懐具合やライフスタイルに合わせて、多くの器が即日完売。

そば猪口で納豆を和えるもよし、晩酌するもよし、深皿でプリンを食べるもよし、皆さん、それぞれの思いを胸に、大事大事に器を抱えて家路につきました。

お互い、仕事に子育てにと慌ただしい毎日を送る三嶋さんと私ですが、またぜひ開催したいと思います。